HERCULES(ヘラクレス)のタグで見る年代の見分け方
2017/02/21
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1893年創業、古着屋でも数多く見られる非常に流通量の多いブランド「SEARS(シアーズ)」。フルネームはSEARS ROEBUCK AND CO(シアーズローバックアンドカンパニー)です。
古着界では非常に有名な3大ストアブランド、
「JC Penny(ジェイシーペニー)」
「MONTGOMERY WARD(モンゴメリーワード)」
「SEARS(シアーズ)」
アメリカでかなりのシェアを誇ったシアーズが、数多く展開していたブランドの中でも人気のあった「HERCULES」ラインが今回の内容です。
そもそもの話、「BIGMAC」の年代の見分け方の回でも述べましたが、ストアブランドというのは、上記の三社から出しているオリジナルのブランドの事をストアブランドと括って呼んでいるのです。
現在で言うイオンの「TOPVALU(トップバリュ)」とかドンキホーテの「情熱価格」と言えばわかりやすいでしょうか。しかし価格は安くとも高い品質、そしてその展開の幅広さにより非常に多くの流通量を誇っています。その後長い年月を経てヴィンテージと化した彼らは良品であれば非常に高額で取引されるブランドとなっています。
特にワークアイテムも専門に作っていたヘラクレスは古着好きの間でも人気が高いですね。
そんなヘラクレスのタグで見る年代の見分け方をまとめました。
HERCULES(ヘラクレス)のタグで見る年代の見分け方
ヘラクレスはシアーズのPBとして1908年から1965年頃まで存在していたと言われています。
今回は30年代からです。年代はズレる可能性があります。
30~40年代「巨人タグ」
出典先サイト→「JAM」様
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
巨人が中央にドヤァ・・・な感じで立っているので巨人タグ。
主に30年代のアイテムに付きます。
付くアイテムによってタグの色が違います。
40年代「ハンマー、バーベルタグ」他
出典先サイト→「Six Pac Joe」様
「HERCULES」の文字を覆う線がバーベル、又はハンマーのように見えることからこのように呼ばれています。画像のは字が細いですが、太字のものもあります。(色も黒だったり。)
他にも、
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
影っぽくなっている赤枠のタグ、(後年にも赤枠のタグが出ますがデザインがちょっと違うので間違わないよう要注意。)
またこれには、
出典先サイト→「Six Pac Joe」様
刺繍タグや表記が多い物もあります。
出典先サイト→「Six Pac Joe」様
この時代は「REG.U.S.PAT.OFF」表記が入る。(ハンマータグや動物、森の表記が入るものは一部除外)
画像は刺繍ですがプリントタイプもあります。
40~50年代
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
「Style and Durability」の文字が入る40~50年代のタグ。白地のものもある。
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
画像は「SHOP COATS」表記だが、下部の記載が「Nation ALLS」表記のものも。
こちらには刺繍タグとプリントタグが存在していますが刺繍の方が古いとされています。
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
ポップな字体に鳥がデフォルメされたバージョンもある。®マークも入るのでこちらは50年代よりかもしれません。
50年代
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
こちらは「WORK CLOTHING」表記ですが、その部分の記載が違うものもあります。おそらく付くアイテムによって違うのでしょうが詳細は不明です。
「SANFORIZED」表記が無いタグもあり、ある物のが古いかもしれません。
ちなみに同じデザインでカラーが違うバージョンがいくつもあります。青だったり赤だったり緑だったり・・・。もしかしたら細かい年代がタグの色によって分かれてるのかもしれません。
また、少しデザインは変わりますが、
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
「UNION HERCULES MADE」表記でも®マークが入るこちらは50年代。
50~60年代
出典先サイト→「Cider」様
山の絵が入るマウンテンアイテムに付くタグです。他にも種類があります。
また、左側に星が4つ付くデザインのタグもマウンテンラインにありまして、それは更に過酷な環境に耐えれる設計なのかな~と勝手に解釈しています。
出典先サイト→「Six Pac Joe」様
また、山や木が描かれるタグも50~60年代頃と言われています。
もっと簡素な木(棒線)で書かれたタグは40~50年代です。見間違いに気を付けましょう。
60年代
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
アウターウェアに付くタグ。
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
40年代の赤タグと似ているので注意が必要です。以前は赤い影だったのが、ギザギザのような枠ぶちがあるのが60年代ですね。またこの年代は「REG.U.S.PAT.OFF」表記が復活しています。
これも様々なカラーバリエーションがあります。ちなみにデザインはそのままアイテム名が入るタグもあります。
出典先サイト→「Six Pac Joe」様
「VAT DYED DENIM」(つまり化学染料使用のデニムという意味。)表記があれば、それも60年代。
とにかく同年代でもたくさんの種類のタグが出ていて、時代的にも試行錯誤して他社との競争に勝とうという姿勢がタグからだけでも見てとれますね。やっぱりそういうとこが面白いです。
あとがき
出典先サイト→「Sunny Side Up」様
ストアブランドの話をしていると日本でのシェアナンバーワンを誇るユニクロも何十年後かにはヴィンテージとして取り扱われるようになるのかなぁなんて考えます。
時代背景が違うからそうはならないでしょうが。。。(でもなるかも・・・?)
以上「HERCULES(ヘラクレス)のタグで見る年代の見分け方」でした。