「IDEAL」ZIP(アイディールジップ)を見て年代を見分ける方法

      2017/01/21

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以前ご紹介した「TALON ZIP(タロンジップ)」の記事でも言いましたがジップにも年代ごとに特徴すべきディテールがあり洋服のディテールと一緒に見合わせるとさらに細かい年代を絞り出せたりします。

今回紹介するのはタロン社と同じく古い歴史を持つ「IDEAL ZIP(アイディールジップ)」です。

1936年アメリカはニューヨークで創立した「IDEAL Fastener」社。

世界の「YKK」ジップ社に次ぐ、世界第二位の売り上げを誇る世界的にはとても有名なジップ会社なのですが日本には支社は無く、知名度はそこまで高くはないかもしれません。ですがヴィンテージ好きな方なら絶対見たことがあるはずです。

なぜならヴィンテージアイテムで使われている確率の高いジップが先ほども出た「TALON(タロン)」と「IDEAL(アイディール)」だからです。

細かく言えば他にも沢山あるんですがとにかくこの二つは目にすることが多いと思います。

そんなアイディールジップの年代を見分ける方法をまとめました。

 

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IDEAL ZIP(アイディールジップ)を見て年代を見分ける方法

年代はズレる可能性が有ります。

50年代

棒型(細長い)

2017-01-17_23h09_27出典先サイト→「Cider」様

持ち手が細く長い棒型。

似た形は後年にもありますがこの時代は細さもありますが長いです。

 

ピンロック式(片ツメ)

表側

2017-01-17_23h55_55出典先サイト→「Six Pac Joe」様

ピンロック式(片ツメ)とは、ジップの持ち手裏の片方側に突起が付き、持ち手を下に倒すとレールに噛んでロックされ逆に持ち手を上げるとロックが解除される仕組み。

 

裏側

2017-01-17_23h59_35

持ち手裏側はこのようなディテールになっています。片側だけツメがありますね。

 

デカジップ

2017-01-17_22h58_15出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様

レザーやヘヴィアウターに使われるジップ。後年にも似たジップはありますがこの時代は「IDEAL」の字体が小さいです。

 

 

60年代

カムロック式(両ツメ) 持ち手長め

表側

2017-01-17_21h02_20出典先サイト→「Cider」様

60年代になるとカムロック式(両ツメ)になります。ピンロック式が片方にしかツメが無かったのに対し、カムロック式は持ち手裏のツメが両サイドに付くようになり、更にロック性能が上がりました。

また、この時代は持ち手が長いです。

 

裏側

2017-01-18_00h01_13

こちらがカムロックの裏側です。両サイドにツメあり

 

 

60~80年代

オートマチック式(セミオートマチック式)

2017-01-17_22h40_52

スライダーと持ち手部分の接続部分が銀色のパーツ。ピンロック、カムロックが進化した「セミオートマチック式・オートマチック式」。

現在まだまだ性能進化してはいますが、「オートマチック式」でジップの基本構造は完成したと言ってよいです。が、この後の年代にもカムロックジップ自体は登場します。

 

 

70年代

2017-01-17_23h42_16出典先サイト→「ILLMINATE」様

70年代アウターや、シャツアウター等に使用される下に行くほど広がる長いジップ。

 

備考

出典先サイト→「Boundary243」様

70年代前半に「IDEAL Fastener」社に買収された「PRENTICE」ジップ。アイディールの年代を見分けることには関係ありませんがちょっとした情報としてご紹介。

 

 

70~80年代

カムロック式(両ツメ) 持ち手短め

2017-01-17_22h16_09出典先サイト→「ILLMINATE」様

いまだに残るカムロック式。80年代頃まで見られます。

60年代に比べ、持ち手が短くなります。

 

ベル形

DSC06945

ベルの形に似たジップ。

 

小文字

2017-01-17_22h11_32出典先サイト→「ILLMINATE」様

かなりレアな小文字「ideal」ジップ

 

 

80年代

棒型

2017-01-17_22h48_15出典先サイト→「ILLMINATE」様

スライダーの中央部分がへこむような形をしたジップ。

 

ミリタリー

2017-01-17_23h18_33出典先サイト→「Cider」様

ミリタリー等のヘヴィアウターに使われるジップ。もっと古い時代にも同じディテールのジップは使われますがこの時代は「IDEAL」刻印が大きく彫られます。

 

スライダーの中央部分が膨らむようになり、形も少し違いますがこちらも80年代に見られるジップです。

ミリタリー系等のヘヴィアウターのジップがごついのは手袋をしていてもジップを持ちやすいように配慮されている為です。この大きさが格好良いですよね。

また、ミリタリーはジップデザインもそうですがミルスペックタグが残っていればその表記で年代を判別することが可能です。こちらにその方法を載せてありますので合わせてご覧ください↓

 

 

90年代

2017-01-17_23h28_30出典先サイト→「Cider」様

こういうと何ですが安っぽい感じの見てくれになります。

 

 

現行モデル

現在使われているデザインです。アメリカのカジュアルブランド等に使用されています。画像は「GAP(ギャップ)」のアイテムに付いていたもの。

 

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あとがき

2017-01-17_21h02_20出典先サイト→「Cider」様

ジップにはジップの世界があるようで、タロン社と見比べてみても例えば「ピンロック式」や「カムロック式」が出てくるタイミングって同じ時代なんですよね。当時から厳しいシェア争いがあったのでしょうから当たり前と言えば当たり前なんですがそういった時代背景を考えるだけでも楽しいですね。

ちなみに「TALON ZIP(タロンジップ)」の年代を見分ける方法はこちらです↓

 

以上「「IDEAL」ZIP(アイディールジップ)を見て年代を見分ける方法」でした。

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 - IDEAL(アイディール), ★Zip・Zipper(ジップ・ジッパー)について