Levi’s(リーバイス)501ヴィンテージの年代を見分ける方法【大戦モデル・XX等ジーンズ判別】
2017/01/17
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誕生は1890年と実に120年以上の歴史を持つ全てのジーンズ(ジーパン)の原点であるリーバイス501。ジーンズ原型なら140年以上、リーバイス社設立からはなんと160年以上という歴史の古さです。
デニムの原点であるリーバイスは他にも業界初の試みを繰り返しました。衣料業界の流れ作業による製造ラインや女性向けのワードローブ制作等、ワーク業界で確固たる地位を確立させてきました。
創立者のリーバイストラウス氏が亡くなった後もワークブランドとしての知名度は衰えるどころかその質の高さから人気は全米に広がります。また先見性も持ち合わせており、40年代頃からファッション性にシフトしていき、リーバイスを纏ったジェームズディーンやマーロンブランドの登場により、リーバイスは世界中で人気に火が付くこととなります。
その後も世界中で知名度を上げていき、今現在も僕たちを飾っていますね。
そんな歴史あるリーバイスはその時代ごと、ロットごとで違った顔を魅せ、そのどれもにファンがいるヴィンテージ好きにとっては無くてはならない存在です。
そんなリーバイスの「501」の年代を見分ける方法をまとめました。今回はファッション性にシフトしてきた40年代頃からのまとめになります。
Levi’s(リーバイス)501ヴィンテージの年代を見分ける方法
★見比べるにあたっての注意点
・年代はズレる可能性があります。(およその年代ごとの詳細です)
・画像はレプリカモデルを使用している場合もありますのでご了承ください。
・前年代と同じディテールならその場所には画像を載せていません。
1942年~ 「XX(ダブルエックス)大戦」モデル
「XX(ダブルエックス)」というのは「Extra Exceed(頑丈なデニム)」の略からきています。
「大戦モデル」と言われるのは正に戦時中に製造していたもので、その時代背景もあり当時は物資統制がしかれていました。
なのであらゆる部分で素材の簡略化が行われ、他のモデルとは一線を画す製造年数も少ない世界中にファンの多い幻のモデルとなっています。(デッドストックやとても状態の良い物は世界中で現在数百本しか存在していないと言われています。)
革パッチ(S501表記)
現在は紙製だがヴィンテージでも更に古い物はパッチが「革製」。
そしてその革パッチの左下部のLotナンバーに「S 501XX」と表記される。
ドーナツボタン(月桂樹)
ボタンも物資統制のため統一化された中央に穴の開く「ドーナツボタン」を使用しています。トップボタンは月桂樹の刻印が入ります。
タブ(片面BigEタブ)
表面↓
裏面↓
バックポケット右側に付く赤いタブがこの時代は片面のみ刺繍の通称「片面BigEタブ」。
また、細かいですがタブには「®(レジスター)」マークがまだ入らないのと「V」の字が左右対称の太さです。
隠しリベット
表から見た画↓
まず「リベット」とは生地と生地が重なる部分を補強するために打ち込む金具のことです。
上記の写真でいうポケットの口の両サイドに本当はリベットが打ち込まれているんです。(見えてないですが)
ですが金具がむき出しだとこの部分が当たる所を傷つけてしまうので、ポケットの生地自体でリベットを隠すディテールのことを「隠しリベット」と言うのです。裏側から見ると良くわかります。
裏から見た画↓
出典先サイト→「JAM」様
このように。そして大戦モデルはこのリベットが「鉄製」です。
このディテールは時代を追うごとに別の形(カンヌキ)へと生まれ変わり消えていきます。
セルビッチ(赤耳)
ジーンズの外側の縫い合わせの部分の裏側を見るとこのようなディテールになっているものが通称「セルビッチ(赤耳)」といいます。
このディテールは1986年まで製造されるいわゆる「赤耳」モデルまで付きます。(製造年は被りますが1981年~現在まで製造されている「レギュラー」モデルには付きません。ヴィンテージモデルを再現したレプリカモデルは除きますが。)
ベルトループ(技術がまだ未熟なセンター縫い)
この頃はミシン技術がまだまだ未熟な為、生地が沢山重なる部分は縫い付けるのがとても手間がかかる作業だったようです。
そしてこの時代はベルトループ自体が太いです。
バックポケット(ペンキアーキュエイト)
有名なバックポケットの弓状の「アーキュエイトステッチ」も戦時中は糸がもったいない!ってことで廃止。
ですが、リーバイス社も黙っていません。「うちのアイデンティティーだからね!」ということでアーキュエイトをペンキで表現したものもあります。(よく見ると点々で表現されています)
1947年~ 「XX(ダブルエックス)革パッチ前期」モデル
革パッチ(XX表記のみ)
大戦モデルにあった「S 501XX」の表記が「501XX」表記のみになります。
ボタン
別モデルの写真です。
ドーナツボタンがオリジナルのブランドネーム入り刻印ボタンに変更される。
最初のボタンはLEVIS STRAUSS&COの「R」の足の長さが同じ。
タブ(片面タブ)
この時代も片面の「BigE」タブ。
隠しリベット
鉄製だった隠しリベットが「銅製」に変わる。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
ベルトループ
センター合わせも太いまま。
バックポケット(アーキュエイトステッチ)
アーキュエイトステッチが復活します。当時は2本針のミシンで縫うため、中央のV字部分にひし形の「ダイヤモンドポイント」が出来るのが特徴。
また、ステッチも「バナナイエロー」と呼ばれる黄色いステッチで縫われるのも特徴です。
1952年~ 「XX(ダブルエックス)革パッチ後期」モデル
XX後期モデルといっても、おおむねXX前期モデルとディテールは変わりませんが、前期に付いていた「片面タブ」が「両面タブ」に切り替わります。↓
タブ(V左右対称 両面タブ)
表面↓
裏面↓
「®(レジスター)」マークが入る。「V」の字はまだ左右対称の太さ。革パッチの「XX」モデルで前期と後期では大きく変わるのはこのディテールのみです。
そして「両面BigEタブ」。
1954年~ 「XX(ダブルエックス)紙パッチギャラ有り」モデル
パッチ(紙パッチ)
革のパッチは縮みやすく、近代化の波もあって紙製のパッチに変更される。その初期は革パッチ時代の名残か下部に「Every Garment Guaranteed」の表記が入るいわゆる「ギャラ」入りの紙パッチが使われる。
ボタン
オリジナル刻印ボタンを使用していますが、以前は同じ長さだった「R」の片方の足が長くなる通称「足長R」仕様に変更となる。
タブ
「V」字左右対称。
両面BigEタブ。
隠しリベット
銅製の隠しリベット。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
ベルトループ(オフセットセンター)
今までずっと効率の悪いセンター合わせで縫い付けられていたベルトループですが、この方法だと生産効率が非常に悪いという事でこの年代からセンターからずらした場所に縫い付けるオフセットセンター(中央ずらし)方式を採用しています。ベルトループは細め。
バックポケット(アーキュエイトステッチ)
バナナイエローステッチ。
1960年~ 「XX(ダブルエックス)紙パッチギャラ無し」モデル
パッチ(紙パッチ)
NO IMAGEです。。。(画像募集中です。)
「Every Garment Guaranteed」表記が消えて代わりに「Made in U.S.A.」と入る通称「ギャラ無し」モデル。
ロットナンバーとサイズ表記だけになると少し寂しい気もしますね。
バックポケット(アーキュエイト)
イエローステッチ。
ボタン
足長「R」。
タブ(V左右非対称 両面タブ)
表面↓
裏面↓
長らく左右対称だった「V」の字が左右非対称になります。また「’(アポストロフィ)」も太くなります。
両面BigEタブ。
隠しリベット
裏側(オス側)が銅製からアルミ製に。
紙パッチが欠損している場合は一概には言えませんがここを見るのが主流です。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
ベルトループ(オフセットセンター)
この時代もオフセットセンター
1965年~ 「XX(ダブルエックス)~BigE(ビッグイー)中間」モデル
細かく言えばパッチからXX(ダブルエックス)の表記が徐々に消え、後に出る「BigE(ビッグイー)」モデルとの中間期となるモデル。
紙パッチ
出典先サイト→「archeologie」様
XXと名の付く最後のパッチ「501-501」。
「XX」は最高品質という意味合いがありましたが、以降は全てが最高品質ということで「XX」の文字が無くなります。
他に「501XX-501」と表記される物もあります。
ボタン
トップボタン裏に数字(またはアルファベット)の刻印が入るようになる。これは生産管理の為の製造した工場の管理番号と言われています。
詳しくはこちらへ↓
桁が増えるほどに年代も現代に近づいていくとされています。(最初は一桁)
また、表面は「足長R」「同じ長さのR」ボタンのどちらもあります。
タブ(V左右非対称 両面タブ)
「V」字左右非対称。
両面BigEタブ。
隠しリベット
この時代まで隠しリベットが採用されています。次の時代は糸で縫う「バータック(カンヌキ)」に変わります。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
ベルトループ(技術が発達したセンター縫い)
長らくオフセットセンター(中央ずらし)だったベルトループがミシン技術の発達により、再びセンター合わせに戻ります。また、ベルトループが太かったのが細くなります。
以降中央のベルトループはこのディテールです。
1966年~ 「BigE(ビッグイー)前期」モデル
以前のモデルにも「BigE」は使われていますが、このモデルからBigEが特徴的になるため、BigEモデルとしています。
パッチ(「A」・「S」・「F」タイプ他)
出典先サイト→「JAM」様
左下の「501」の印字の上に「A」や「S」、「F」と入るものがあります。
それぞれ「A」は優良であることの証。「S」は” SATISFACTORY ”の良好、「F」は” FAILURE ”のB品という意味合いが込められています。
また印字方法は同じで「A」や「S」、「F」が印字されない物もあります。
ボタン
トップボタン裏には「2」や「8」といった数字(またはアルファベット)が入る。
トップボタン表は足の長さの「同じR」刻印と「足長R」刻印が混合する。
タブ(V左右非対称 両面タブ)
「V」字左右非対称。
両面BigEタブ。
隠しリベット→バータック(カンヌキ)
長く続いていた隠しリベットが遂に廃止になります。
代わりに線上のギザギザを縫い付けて補強する紺色のバータック(カンヌキ)仕様に変更されます。
登場初期は裏側から縫い付けるカンヌキで画像では見づらいですが、ポケット口の左上に少し見えている紺色の糸がそれです。
また、そのほかの部分に使われるリベットは変わらずアルミ製リベットです。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
バックポケット(アーキュエイトステッチ)
この年代はアーキュエイトの深さが浅いのが特徴。
1969年~ 「BigE(ビッグイー)後期」モデル
この時代でBigEは終わりです。
パッチ
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
左下のロットナンバー(501)の上に黒字で「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」印字。
ボタン
トップボタン裏には「2」や「8」といった数字(またはアルファベット)が入る。
また71年頃まで表面には「足長R」が使われる(もちろん同じ長さのRも)。以降は「R」の足の長さは同じで統一される。
タブ(V左右非対称 両面タブ)
「V」字左右非対称の両面タブ。
両面BigEタブ。
バータック(カンヌキ)
紺色のカンヌキ。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
内タグ
内側に付く紙製の内タグ注意書きの上部に「SF307」と、中央下にShrinks about(縮小率)「8%」表記。
1969年~ 「66前期」モデル
フラッシャー記載の1966から名づけられたので66モデル。66年に作られたというわけではないので注意。
66の前期と後期モデルはトップボタン裏とバックポケットのステッチを見れば判断しやすいです。
パッチ
左下のロットナンバーの上に「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」黒印字。
ボタン
トップボタン裏の刻印が「6」です。
71年頃まで「足長R」が見られる(もちろん長さの同じRも)。以降はまた「R」の足の長さは同じで統一される。
タブ(Small “e”登場)
表面↓
裏面↓
69年頃から現在もお馴染みの大文字表記だったLEVI’Sが小文字のLevi’s表記になるいわゆる「Small”e”(スモールイー)」タブが登場する。
しかし当時「BigE(ビッグイー)」タブの在庫がまだ残っていたのか「BigE(ビッグイー)」は71年頃まで見られ、72年以降は全て「Small”e”(スモールイー)」で表記される。
バータック(カンヌキ)
紺色の糸が黒色に変わる。通称「黒カンヌキ(黒カン)」。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
バックポケット
ポケット入り口の裏側がシングルステッチ。
内タグ
この時代はShrinks about(縮小率)「10%」表記になります。
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
また内タグが無く、横に長い四角い枠の洗濯表示文が載ったスタンプがポケットの裏地に見られるものもあります。このスタンプデザインは66前期にのみ見られる特徴。
1974年~ 「66後期」モデル
パッチ
紙パッチ。「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」表記の黒印字。
ボタン
フロントボタン裏の刻印は「6」。
タブ
Small”e”表記。
バータック(カンヌキ)
黒カンヌキ。
セルビッチ(赤耳)
赤耳は健在。
バックポケット
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
後期はバックポケット内側がチェーンステッチです。
1980年~86年 「赤耳」モデル
66モデル以降の赤耳が付いたモデルを赤耳モデルと呼びます。
パッチ
紙パッチ。「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」は黒字かオレンジの印字。
ボタン
フロントボタン裏の刻印数字は様々。
中でも「555」刻印はバレンシア工場で製造された証で特に人気が高いです。
タブ
Small”e”表記。
バータック(カンヌキ)
このモデルから生地の表面からカンヌキを打つ「表カンヌキ」になります。糸も黄色に。
セルビッチ(赤耳)
赤耳最後のモデルです。81年以降のレギュラーモデルには赤耳は付きません。
内タグ
このモデルも内側にある紙タグにはShrinks about(縮小率)「10%」表記が印字されます。
1981年~ 「レギュラー」モデル
赤耳モデルと並行して作られる。赤耳モデルが無くなった後はこのレギュラーモデルで統一される。
パッチ
出典先サイト→「JAM」様
左下のロットナンバー表記がこういったものが見られますが、「XX(ダブルエックス)」というわけではありません。
もちろん「XX」表記の無い太字のものもあります。
セルビッチ廃止
遂に長らく使われていた赤耳が廃止となる。
以降レギュラーモデルの赤耳部分はこのようなディテールになります。(耳無しモデル)
他のディテール
基本的に「赤耳モデル」と「レギュラーモデル」とでは耳が有るか無いかだけで他に違いはありません。
~現在 「現行」モデル
紙パッチ
様々なタイプがあるがスタンプにヴィンテージの雰囲気はなくなります。
ポケット裏スタンプ
現行モデルにはポケットの裏地にスタンプが押してあったり、内タグのデザインがヴィンテージのそれとは異なります。
66前期に見られたポケット裏スタンプですが、現行モデルにも見られます。
ですが、デザインはかなり変わっており、66前期以外のデザインのものは全て現行モデルとしてOKです。
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
これ以外は全て現行モデル。
内タグデザイン 現行
90年代の物↓
(画像は501のものではないです。)
一部は80年代にも見られたり。
他にもありますが、「リーバイストラウスジャパン」表記が内側のタグにあれば「現行モデル」とみて間違いないです。
備考 紙製の内タグの年代見分け方(1974年以降のみ)
66前期の最後や66後期モデル(1974年以降)から付く紙製の内タグや、ボタン裏の数字で製造会社や年代の判別が可能な時がある。見方を解説していきます。
パターン1↓
出典先サイト→長野県松本市 古着屋「panagorias」様
画像は66モデルです。見るべき部分は上から3段目。
左から製造月「12」、製造年「5」、製造工場「6」
下一桁をとって75年の12月に製造されたことになります。
66モデルなので製造工場は「6」。
パターン2↓
注:画像は646モデルのものです。
下段の行を見て下さい。
左から製造月「12」、製造年「78」、工場番号「8」。
なので1978年の12月に製造されたことが分かります。
パターン3↓
90~00年付近でよく見られるタグ。見るべきポイントは最下段です。
左から工場番号「555」、製造年月「0500」、右のは管理番号ですかね。
なのでこちらは2000年5月に製造されたものというのがわかります。(例「0296」なら96年2月)
と、このように数字の羅列の中央に製造年がくることが多いです。
~注意~
タグによっては判断できない物もあるのであしからず。
ですが一つの方法として覚えておくとかなり利用できます。
あとがき
今回は「501」の40年代頃からの見分け方でしたが、どうでしたでしょう?
お手持ちのリーバイスと当サイトの画像とを見比べてみて501の年代がはっきりしたのではないでしょうか。ずらっと年代ごとに主な特徴を並べただけですので、もう少し見やすい年表のようなものも作ろうか思案中です。更新したらお知らせしますね。
ちなみにトップス(Gジャン以外)の年代判別編はこちら↓
スタプレの年代判別編はこちら↓
以上「Levi’s(リーバイス)501ヴィンテージの年代を見分ける方法【大戦モデル・XX等ジーンズ判別】」でした。
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